この絵は漫画家の、たちばないさぎ先生に描いていただいた私と父のワンシーンです。
私の父は65歳のときに、がんで空の人となりました。
当時の私は、がんのことは何もわからず誰を頼っていいのかわからず、がむしゃらに看病をしていましたが、父が最後の命の時を迎えるころ、やっと父と良い時間を過ごそうと思えるようになりフラフラの父を車いすに乗せて、病院の屋上へ散歩に行ったんです。
この絵は、この時の思い出を描いてもらいました。
当時、まだ桜はさいていなかったんですが、父と春になったら部屋から桜並木が見えてキレイだろうね。一緒に見たいねと話していたので、そのことをたちばないさぎ先生に話すと、見事に満開の桜並木を描いてくださり、感動して父の写真に「お帰り、おとうさん」と見せました。
さて、短編映画「がん家族。」の展望は全国の「がん家族」に映画を届けることです。
この絵のように、患者と看病家族が、微笑みながら過ごせるようにとの願いを現実にするために、広報活動も頑張ります。
そして、2022年には、映画AタイプとBタイプを合わせたものをDVDにし、「がん教育」をされている学校や看護学校に提供できればと考えています。
紹介
はじめまして。酒井たえこと申します。私は十数年にわたり「がん家族」の支援活動を行ってきました。
映画について
不安で押しつぶれそうだとおっしゃる「がん家族」がいます。
なぜ不安なのでしょう?不安はどうして解消できないのでしょうか?
いま看病をされている2組のご家族の普段の生活を映像にすることで、見た人が「他のがん家族の家では、こんな感じで患者と話しているんだ」「この場面は私と一緒かもしれない」など、いろんなことを感じて、自分の看病は間違っていないと安心していただきたいと思い、この映画製作プロジェクトを立ち上げました。
特に今年はコロナの脅威によって、患者さんの治療がスムーズにできなかったり、面会禁止となる悲惨な状況に疲弊している「がん家族」の方々を目の当たりにし、短編映画「がん家族。」がお役に立てるはずだということも、きっかけになりました。
「がん家族」の方々は、悩みを誰にも聞いてもらえない・将来のことが不安・患者が一番つらいのに私が辛いなんて言えない・医師の話がわからない・無力感でいっぱいになるなど、ここに書ききれないほどの悩みを一人で抱え、孤独に苦しんでいる方が大勢います。でも一人じゃないと知ることで、孤独の苦しみから一歩前進でき、患者との大切な時間を笑顔で過ごすことができるようになります。
がん家族の願いは、大切な人(患者)と穏やかな時間をすごしたいという、ささやかで難しい願いを持っています。それをみんなで一緒に叶えられたら素敵なことですよね。
この短編映画「がん家族。」は、あなたはひとりじゃないですよ、一緒に泣きながら時には笑顔でいれるようになりましょうという思いを、がん家族の方々や、その周りの方々に届けることが目的です。
2006年 がん家族について独学 開始
2009年 個人ボランティアとホスピスボランティア 開始
2014年 がん家族をサポートする協会 発足
2020年 一般社団法人mon ami 設立
2020年 短編映画がん家族。プロジェクト始動
2020年 12月クラウドファンディング開始
2020年 12月映画撮影開始
2021年 6月映画完成
2021年 8月期間限定一般公開(YouTube・かなやTube)
たちばないさぎ/漫画家
構成アドバイス/イラスト
母のがんが発覚して、私の気持ちが弱っていたとき寄り添ってくれた人がいて、 それがとてもうれしくて…。
その気持ちも込めた「恩送り(ペイフォワード)」のつもりで参加しました。
甲斐俊也/グラフィックデザイナー
ポスターデザイン/タイトル文字
チームが表現したい映像をよりクリエイティブに演出するために携わります。社会・環境・福祉・教育に関わることが自分の幸せにつながると考えています。
山田拓実/UXデザイナー
オープニング
人知れず頑張りすぎてしまっている、がん家族の肩の力がスッと抜けるような短編映画にしたいです!
東ゆうこ/塾講師(出演者)
この短編映画は、私たちがん家族の沢山の壁にぶち当たりながらも、がん患者家族会Mon amiからたくさんの支援を頂いて前向きにがんと向き合う成長記録です。そして、その悩みながら、何を考えて選択し、どう進んでいったかを映像という形にすることで、これから先にがん家族として寄り添う方々への1つの道しるべになれば嬉しく思います。伝えたいことは、「あなたは独りじゃないよ」ということ。私ががん家族になって、1番支えになった言葉です。
酒井たえこ/がん家族セラピスト
一般社団法人 Mon ami代表理事
がん患者家族会Mon ami代表
監督/カメラ/編集/総合プロデュース
この短編映画の製作には、プロジェクトチーム(メンバー)だけでなく、医療者やライター、こんぺいとう会社の方、私の家族など様々な人が力を貸してくださっています。
みな手伝ってほしいと声をかけると快諾してくださった人ばかりです。
みなさん揃って言ってくださるのは『「がん家族」さんのお役に立てるのなら、喜んでお手伝いしますよ』という言葉でした。
この短編映画の製作が始まる前から、「がん家族」の方々には味方が沢山います。そして「助けて」と声をだせば手を差し伸べてくれる人は必ずいます。そのことを忘れないでください。
短編映画「がん家族。」はあなたの味方です。